Thee Headcoat Sect - Troubled Times
'96年リリースの「Deerstalking Men」から。
ガレージパンクの重鎮
ビリー・チャイルディッシュ率いるThee Headcoatsと
60年代から活動していたR&Bビートバンド
Downliners Sectの夢の合体バンド。
この時点でビリーはアラフォーだし
Downliners Sectのドン・クレインにいたっては50代。
通常落ち着いても良い年齢の彼らだが
まったくオッサン臭さを感じさせない
荒々しいガレージR&Rをぶっぱなしております。
New York Dolls - Personality Crisis
'73年リリースの「New York Dolls」から。
ポップ職人トッド・ラングレンプロデュースの1stアルバム。
トッド色はまったく見受けられませんが
NYパンクの元祖ともなった攻撃的なR&Rは
そのド派手なルックスもあいまって
深みのまったくないストーンズのようで潔い。
後期はピストルズでお馴染みの
マルコム・マクラーレンがマネージメントをしていただけあって
ピストルズ名盤「Never Mind the Bollocks」プロトタイプのような質感もあります。
特にジョニー・サンダースのヘタウマギターは
独特な粘り気のある音質や
「音外してね?」とハラハラするようなフレーズなど
これぞR&Rギターという感じでカッコいい。
ジョニーに関しては
ソロやハートブレイカーズよりも
やはりボーカリストの隣で弾いてる姿がとても絵になりますな。
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The Who - The Real Me
'73年リリースの「Quadrophenia」から。
映画『さらば青春の光』('79年)の原作となった
ロックオペラと呼ばれるコンセプト・アルバム。
The Whoが数多のバンドと一線を画していたのは
モッズシーン云々の前に、バンドメンバー全員が主役という
当時のバンドには無かったスタイルだった事。
(ビートルズは除く)
まずドラマーのクセに一番目立っているという、暴れ太鼓のキース・ムーン。
リードギターならぬリードベースとも言うべき、ジョン・エントウィッスル。
その曲作りの才能もさる事ながら
ギターをぶっ壊したり、腕を風車の様に振り回しながら演奏するウィンドミル奏法など
ステージアクションも素晴らしいピート・タウンゼント。
そして、ボーカリストのロジャー・ダルトリー が一番地味という
まったく非常識なバンドであった。
現在でも、ボーカル以外は空気みたいなメンバーしかいない様なバンドが多い中
The Whoこそ最強のバンドだと思う昨今。
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The La's - There She Goes
'90年リリース、唯一のアルバム「The La's」から。
60年代のブリティッシュ・インヴェイジョン時にリリースされていても
全く違和感の無いアルバム。
大物スティーヴ・リリーホワイトのプロデュースで制作されたこの作品
ボーカル、リー・メイヴァースの意図されたものでは無かったらしく
レーベル側と大揉めに揉め、リー自ら「買うな!💢」と激怒する始末。
彼らは残念ながらこのアルバムを残して活動停止してしまいますが
名曲「There She Goes」を筆頭に
メロディアスな楽曲満載の時代を超えた名盤。
'97年にSixpence None the Richerがカバーしたバージョンも秀逸。
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The Damned - New Rose
'77年リリース「Damned Damned Damned」から。
3大パンクバンドと呼ばれるSEX PISTOLSやTHE CLASH、THE DAMNED。
その中でもダントツ好きなのはこのTHE DAMNED。
特に初期、ブライアン・ジェイムス(G)のストレートなギターと
キャプテン・センシブル(B)のキャラ立ち感。
(その後ギターに転向しますが、個人的にはベースの頃の方が好き)
ラット・スキャビーズの疾走ドラムに
若き日のデイヴ・ヴァニアン(Vo)のドラキュラメイク(かっこいい!)などなど。
所謂パンクアティチュード云々にあまり興味が無いわたくし。
SEX PISTOLSはカッコいいけど企画バンド扱いで
THE CLASHはなんだか生真面目なイメージが苦手だったり…
自分にはやはりこのふざけた雰囲気のTHE DAMNEDが
シンプルにR&Rバンドとして一番ぴったり来る存在だった。
そして昨年のSUMMER SONICでは念願のライブを超至近距離で観ることが!
選曲も名盤「Machine Gun Etiquette」からの選曲が殆どを占めるという
「生きてて良かった!」としみじみ思える出来事でありました。
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Veruca Salt - Volcano Girls
'97年リリース「Eight Arms to Hold You」から。
ルイーズ・ポストとニーナ・ゴードンの美女ツインボーカルバンド。
グランジ版The Banglesのようなイメージの1stから
後にAmerican Hi-Fiでボーカルをとるステイシー・ジョーンズが
ドラマーで参加したこちらの2ndは、よりストレートなハードロックぽい曲が多いです。
同期のHoleと比べられたりしていましたが
自然体な雰囲気がとても好みなバンド。
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Bryan Adams - One Night Love Affair
'84年リリースの「Reckless」から。
このアルバムが大ヒットした年は
ブルース・スプリングスティーンの名盤「Born in the U.S.A.」も大ヒット。
年間チャートでは「Born~」が1位、次いでこのアルバムが2位だったとの事。
Tシャツ、Gパンでギターを抱えて熱くシンガロングする
アメリカンロック様式美代表のようなこの二人
個人的にスプリングスティーンは
声質的にも、音楽的にもモッサリしていて少し苦手だったりします。
同様の理由でグランジ時代もNirvanaは大好きだったのですが
Peal Jamは苦手だったり…
今、聴き直すと80年代ロックの象徴のようなこの曲も
Goo Goo DollsやGet Up Kidsあたりの
オルタナ以降のバンドとたいして変わらない気がするのは私だけ?
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Iggy Pop - Lust For Life
'77年リリースの「Lust for Life」から。
The Stooges解散後、ソロ2作目のアルバムで
盟友デヴィッド・ボウイのプロデュース作。
モータウン・ビートが印象的なタイトルトラックや
名曲「The Passenger」、ボウイ作「Tonight」(後にセルフカバー)など
曲のクオリティーが非常に高く、それまでのイギー史上最大のヒット作に。
'96年には映画「トレインスポッティング」サントラに使用され再ヒット。
ジャンキーとクズしか出てこないこの映画
「理由なき反抗」('55年)や「さらば青春の光」('79年)などが
時代背景的に今イチピンと来なかった自分にとって
同時代の青春映画として、とても印象に残った大好きな作品。
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Chicago - Saturday in the Park
'72年リリースの「Chicago V」から。
ご多分に漏れずChicago初体験は、'82年のラブ・バラードの名曲
「Hard to Say I'm Sorry(素直になれなくて)」なわけですが
初期の彼らはAORとは程遠いアグレッシブなブラス・ロックで
歌詞も政治的な硬派路線でありました。
いかんせん彼らのアルバム、タイトルはストイックなナンバリングのみ
そのうえジャケはどれもこれもバンドロゴ一発勝負なので
どれがどのアルバムだか分からなくなるのが難点。
David Bowie - Look Back In Anger
'79年リリースの「Lodger」から
「ベルリン三部作」といわれるブライアン・イーノとのコラボ作。
ジギー・スターダストに代表されるミック・ロンソンとの作品群に比べると
この頃のボウイをアルバム単位で聴くことは少ないのですが
リズム隊が強烈なこの曲は、全く古さを感じさせないかっこ良さ。
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Fall Out Boy - The Take Over, The Breaks Over
'07年リリースの「Infinity on High」から
全米1位を獲得した本作は
キャッチーなメロディーと疾走感のある楽曲が満載で
まだギリギリEmo・Punkの体を成している頃の作品。
ボーカル、パトリックの体重増加と共に
次作あたりから徐々にEDM要素が濃厚になり
Good Charlotteあたりにも通じるセレブ志向も相まって
自分的にはどんどん興味が無くなっていったバンド。
この時期のMVはセル・アウトした自分達をあえて自虐的に演じている物が多くて
曲の良さはもちろん、ブレイク後の絶妙な立ち位置が最高にかっこ良かった。
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The All-American Rejects - Dirty Little Secret
'05年リリースの「Move Along」から
エモ系レーベル「DOGHOUSE」からリリースされた1stアルバムで
すでにエモ~パンクの枠にはまらない、親しみやすい音楽性を発揮していましたが
メジャー移籍後、この2ndではさらにヒット性の高い楽曲を連発し
全米で200万枚以上を売り上げる大成功を収めます。
ライブではDef Leppardの「Photograph」を完コピしたりするように
パンク村出身特有の変なこだわりなど感じられない所も
'00年代以降のロックバンドらしいですな。
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The Stone Roses - Elephant Stone
'89年リリースの「The Stone Roses 」から
「Rosesといえばガンズだろ」
と中高生の頃はもっぱらHR/HMを聴き漁っていた私。
同時代のUKバンドに対して
”暗い・ヘタクソ・貧乏臭い”という3大偏見を持っておりました。
その偏見をすっかりひっくり返してくれたのがこのバンド。
マニ&レニによるダンスビートを元にした有機的なリズム隊は
それまで自分が聴いてきたロックには無かったものだったし
ジョン・スクワイアのギターは透明感という言葉を具現化したような清々しいサウンド。
イアン・ブラウンのボーカルは…
まぁ、ド下手ですがこのバンドにはこの声しか無いという存在感があります。
この曲は私が初めに買ったUK盤にはなぜか収録されておらず
もう1枚国内盤を買い直した悔しい思い出。
突如Led Zeppelin化した2ndアルバム「Second Coming (’94年)」も最高。
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